使い方
はじめに「月給で計算」か「時給で計算」を選びます。月給の人は、基本給と、計算に含める手当、1か月の平均所定労働時間を入れてください。平均所定労働時間がわからないときは、年間休日と1日の所定労働時間を入れて「この時間を使う」を押すと、目安の時間が入ります。
つぎに、その月に働いた時間を区分ごとに入れます。時間は小数で入れます(1時間30分なら 1.5、45分なら 0.75)。入力するとすぐに結果が変わります。
- 時間外労働(残業):1日8時間・1週40時間(法律で決まった時間)を超えて働いた時間です。会社の決まった勤務時間が7時間で、8時間まで働いた1時間は、法律上は割増がいらない場合があります(会社の決まりによります)。割増はなくても、通常の1時間分の賃金は支払われます(このツールでは計算しません)。なお、週44時間の特例が使える小さなお店などや、変形労働時間制の会社では、残業になる時間の数え方がちがうことがあります。
- 法定休日:法律で必ず与えることになっている週1日(または4週4日)の休みです。土日休みの会社で、たとえば日曜が法定休日なら、土曜に働いた分は「法定休日」ではなく、週40時間を超えていれば「残業」に入れます。どの日が法定休日かは就業規則で確かめてください。
- 深夜:夜10時から朝5時までの時間です。残業や休日出勤と重なった時間は、それぞれ「そのうち深夜」の欄に入れてください。
計算式・計算のしかた
1. 1時間あたりの賃金を出す
月給の場合:(基本給 + 含める手当)÷ 1か月の平均所定労働時間
月によって日数がちがうので、1年分をならした時間で割ります。目安は (365日 − 年間休日)× 1日の所定労働時間 ÷ 12 です。たとえば年間休日120日・1日8時間なら、(365 − 120) × 8 ÷ 12 ≒ 163.33時間です(うるう年は366日で計算する会社もあります)。
時給の場合は、時給がそのまま1時間あたりの賃金です。
2. 区分ごとに「1時間あたりの賃金 × 倍率 × 時間」
| 働いた時間の区分 | 最低の割増率 | 倍率 |
|---|---|---|
| 残業(月60時間まで) | 25%以上 | 1.25倍 |
| 残業(月60時間を超えた分) | 50%以上 | 1.5倍 |
| 深夜(夜10時〜朝5時) | 25%以上 | (割増分 0.25倍) |
| 法定休日に働いた分 | 35%以上 | 1.35倍 |
| 残業(60時間まで)が深夜にかかった分 | 25% + 25% = 50%以上 | 1.5倍 |
| 残業(60時間を超えた分)が深夜にかかった分 | 50% + 25% = 75%以上 | 1.75倍 |
| 法定休日の労働が深夜にかかった分 | 35% + 25% = 60%以上 | 1.6倍 |
最後に各区分の金額を足したものが合計です。ふだんの勤務時間内の深夜(夜勤など)は、もとの給料はすでに払われているので、上乗せの25%分だけを足しています。
例:月給27万円(基本給25万円+手当2万円)、平均所定労働時間163.33時間、残業20時間の場合、1時間あたり約1,653.09円 × 1.25 × 20時間 = 約41,327円です。
月60時間を超えた残業(2023年4月から中小企業も)
月60時間を超えた残業の分は50%以上の割増になります。大企業は2010年4月から、中小企業も2023年4月1日からこの決まりが当てはまっています。60時間を数えるときは、法定休日に働いた時間は入れません(法定休日以外の休みの日に働いた残業は入れます)。
会社と働く人の代表との取り決め(労使協定)があれば、60時間を超えた分の上乗せ(50% − 25% = 25%分)の支払いのかわりに、有給の休み(代替休暇)を取ることができます。25%増しのままでよいのは、労使協定があり、実際に代替休暇を取った分だけです。その場合は「25%増しのまま」を選ぶと目安が出ます。
法定休日に8時間を超えて働いたとき
法定休日の労働には「時間外労働」という考え方を当てはめないため、8時間を超えても残業の25%は上乗せされず、35%増しのままです(深夜にかかれば60%増し)。
計算に含めない手当
次の7つは、1時間あたりの賃金を出すときの月給に含めません。これ以外の手当(役職手当・資格手当・皆勤手当など)は含めます。
- 家族手当
- 通勤手当
- 別居手当(単身赴任の手当など)
- 子女教育手当
- 住宅手当
- 臨時に支払われた賃金(結婚祝い金など)
- 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(ボーナスなど)
ただし、名前ではなく中身で決まります。たとえば、家族の人数に関係なく全員に同じ額を払う「家族手当」や、通勤の距離や費用に関係なく一律に払う「通勤手当」、家賃などに関係なく全員に同じ額を払う「住宅手当」は、含める側になります。
端数の処理について
このツールでは、1時間あたりの賃金は端数のまま使い、区分ごとの金額で1円未満を四捨五入しています。法律上は、1か月の合計時間の30分未満を切り捨てて30分以上を1時間に切り上げる、1時間あたりの賃金や割増賃金の50銭未満を切り捨てて50銭以上を1円に切り上げる、といった処理も認められています。会社によってやり方がちがうため、結果は目安として使い、数円〜数十円の差は出るものと考えてください。働く人に不利になる切り捨て(毎日の残業の30分未満を切り捨てるなど)は認められていません。
この計算の根拠(2023年4月1日からの基準・2026年10月に確認)
割増の率は労働基準法第37条と、それにもとづく決まりによります。次の厚生労働省の資料で確かめています。
- 厚生労働省「2023年4月1日から月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が引き上げられます」(PDF):60時間を超えた分の50%(月の初日から残業時間を足して60時間を超えた時点から)、深夜と重なると75%、60時間に法定休日の労働を含めないこと、代替休暇
- 厚生労働省「法定労働時間と割増賃金について教えてください。」:残業25%・休日35%、残業+深夜50%、休日+深夜60%、休日と残業の割増は重ならないこと
- 厚生労働省「確かめよう労働条件:時間外・休日労働と割増賃金」:計算に含めない7つの手当、端数の処理
- 厚生労働省「スタートアップ労働条件:割増賃金の計算方法」:月給を1か月の平均所定労働時間で割る方法
ここでの率は法律で決まった最低ラインです。会社の決まりでこれより高い率になっている場合は、その率が使われます。
よくある質問
- 管理職(課長など)にも残業代は出ますか?
- 法律でいう「管理監督者」にあたる人には、残業と休日の割増の決まりが当てはまりません。ただし深夜の割増は出ます。また、「管理職」という肩書きだけで管理監督者になるわけではなく、仕事の中身や権限、待遇で判断されます。
- みなし残業(固定残業代)がある場合は?
- 給与明細や雇用契約書などで、固定残業代の金額や「何時間分か」がほかの給料と区別されている場合は、固定残業代を「1時間あたりの賃金」の計算に入れません。区別されていない場合は扱いが変わることがあります。差額を比べるときは、このツールの結果のうち、固定残業代で払うことになっている区分(たとえば残業だけ、など)の金額と比べてください。その金額が固定残業代より多ければ、差額は別に支払われる必要があります。くわしくは雇用契約書や就業規則を確かめてください。
- パートやアルバイトでも同じですか?
- はい。働き方に関係なく、1日8時間・1週40時間を超えた分や深夜・法定休日の労働には割増がつきます。「時給で計算」を使ってください。
- 入力した金額はどこかに送られますか?
- いいえ。計算はすべてお使いのブラウザの中で行い、どこにも送信しません。